平成27年度 主な税制改正要望の概要 (年金に関して)

 平成27年度予算についての各省庁からの概算要求が出て、初めて100兆円の大台を超える予算となるかとの議論が開始されますが、それに関連して各省から税制改正の要望も出てきており、厚生労働省としての要望の概要の発表がありました。

 ここでは、私共の関心が高い年金の関する内容を取り上げたいと思います。

 以下の通り、企業年金制度についての税制措置について要望が出されています。

 企業年金制度等の見直しに伴う税制上の所要の措置(所得税、法人税、個人住民税、法人住民税、事業税) 要望内容 確定拠出年金制度をはじめとする企業年金制度等については、施行後約10年を経て見直しの時期になるとともに、「「日本再興戦略」改訂2014」においても国民の自助努力促進の観点から制度の見直しを行うこととされていることから、現在、社会保障審議会企業年金部会において制度のあり方の検討を行っており、その結果を踏まえて税制上の所要の措置を講ずる。

現状(要望の背景)

○ 国民の老後所得については、公的年金と私的年金を組み合わせた形での制度的保障が国際的な流れにある中で、我が国においても企業年金等の役割は高まる傾向にあり、中小企業や一般企業が取り組みやすい制度改善といった、企業が企業年金を実施・継続するための見直しが求められている。

○ また、若年層や女性を中心に、ライフコースが多様化し、働き方の複線化・多様化が顕著になる中、個々人のライフコースに合わせた老後の生活設計を支える仕組みが必要。 加えて、「貯蓄から投資へ」という流れも踏まえて、確定拠出年金制度等の見直しを検討する必要がある。

○ このため、平成26年6月から、「社会保障審議会企業年金部会」において、企業年金制度等のあり方について議論を開始したところであり、先般の部会で以下の通り検討課題を整理したところ。

Ⅰ 企業年金等の普及・拡大 ①一般企業向けの取組 ②中小企業向けの取組

Ⅱ ニーズの多様化への対応 ②    柔軟で弾力的な制度設計 ②ライフコースの多様化への対応

Ⅲ ガバナンスの確保

Ⅳ その他 ①    現行制度の改善 ②    公的年金制度や税制等との関係 ○本年秋以降、上記検討課題に沿って同部会において具体的な検討を行う予定。

  私のブログで7月31日に企業年金の事を取り上げましたが、定年後に十分な年金を受け取り豊かな老後を過ごせるようにするには公的年金に上乗せする企業年金が欠かせない制度であり、特に受給額の点からも現役世代にとって特に重要な課題です。ただし、企業年金の普及は会社員全体の40%と普及が進んでいるとは言えず、企業がリスクを負担するのか?社員がリスクを負担するのか?課題があります。今年検討している新制度はその中間のハイブリッド型の様でそれがこの税制改正に関係してきているのだと思います。