1967年に東アジア諸国連合としてスタートしたASEANが、確実に世界の中でのポジションを獲得してきており、今後はその周辺国6か国(日中韓印豪NZ)との連携の形が出来るRCEPは非常に重要な経済連携だと注目しておりました。
RCEPについては2011年にASEANが提唱し、2012年に首脳外交により正式に交渉が開始され、来年2015年からのスタートを目指しています。 RCEPが実現すれば、人口約34億人(世界の約半分)、GDP約20兆ドル(世界全体の約3割)、貿易総額10兆ドル(世界全体の約3割)を占める広域経済圏が出現します。日本全体とASEANの関係がますます強化され、交流も増えてゆくことになります。
1980年代から1990年代にかけて、欧米への海外赴任者が増え、アメリカNJ/NY地区では日本人学校が次々と開校して行ったのと同じ様な海外赴任者の増加が今後ASEAN各国で見られることになるでしょう。もちろん、生活環境、教育環境、医療環境が国により異なりすべて一様にはなりませんが、中国は上海、北京等を筆頭に物価レベルが高くなりすぎ、人件費も高騰し、次の生産市場と消費市場を目指して多くの企業がASEANに出てゆくことになることは間違いありません。
1980年代、1990年代は大企業が新規市場開拓の目的で欧米市場に進出してゆきましたが、今は街のパン屋さんと言った個人経営のお店、ラーメンのチェーン店、中小企業等を含めて全企業が海外進出を検討する時代になってきており、そこに働く社員の全てに海外勤務の可能性が出て来たと言える時代です。
ただし、海外市場は甘くは無く、そこに新規市場が有ると思っても、実は多くの競合企業がすでに存在しており、現地の複雑でわかりにくい規制もあり、パートナーとの合資しか許されず、そのパートナーとの関係構築がうまく進まず結局断念し、大きな負担が発生する場合も少なくありません。その様な事が起こると資本の小さな企業にとっては、存続の危機でもあり得ます。 RCEPが日本の産業、日本人に与える影響について、複雑さを増す時代の変化点である事を考えさせられます。