高齢期における社会保障に関する意識調査報告書(平成24年度)

 昨日(8月29日)、平成24年の高齢期における社会保障に関する意識調査報告書が厚生労働省から発表されました。

 1から15の質問がされており、それぞれの年齢層での傾向がはっきり出ています。

1 老後感 ・「老後生活」のイメージは5割以上が年金受給生活 老後の生活といった場合、どういう生活を思い浮かべるかについては、「年金を受給するようになった生活」が最も多く 54.0%、次いで「仕事から引退したり、仕事を人に任せるようになった生活」が 38.4%、「老化に伴い体の自由がきかなくなった生活」が 34.7%、「子どもが結婚したり独立した後の生活」が 14.3%となっている。性別にみると、男性女性ともに「年金を受給するようになった生活」の割合が最も多くなっているが、次に多いのは、男性では「仕事から引退したり、仕事を人に任せるようになった生活」で 46.6%となっているのに対し、女性では「老化に伴い体の自由がきかなくなった生活」が 36.6%となっている。

2 老後とは何歳からか ・老後は「65 歳から」と「70 歳から」に分かれる 何歳ぐらいから老後と考えるかについては、「70 歳から」が 32.0%、「65 歳から」が 28.6%と、ほぼ同じ割合になっている。年齢階級別にみると、他の年齢層に比べ、若い世代では「60 歳から」の割合が多くなっているのに対し、高年齢層では「75 歳から」「80 歳以上」の割合が多くなっている。

3 老後の不安 ・最も不安なのは健康 老後において最も不安に感じるものは、「健康の問題」が最も多く 45.7%、次いで「生活費の問題」が 35.1%となっている。年齢階級別にみると、若い世代では「生活費の問題」の割合が多くなっているのに対し、高年齢層では「健康の問題」の割合が多くなっている。

4 就労希望年齢 ・生涯働き続けたいとする者が約8% 何歳まで働きたいかについては、「65 歳まで」とする者が 27.3%、「60 歳まで」とする者が19.6%、「70 歳まで」とする者が 17.6%となっている。また、「生涯働き続けたい」とする者は 7.7%となっている。年齢階級別にみると、年齢が高くなるにつれて、働きたいとする年齢が高くなっている。

5 老後の働き方 ・日数や時間を減らしたいとする者が約5割 老後に働く場合、どのような働き方を希望するかについては、「働く日数を減らしたり、時間を短くして働きたい」の割合が 53.2%、「老後は働かずに過ごしたい」が 27.3%、「現役世代と同じようにフルタイムで働きたい」とする者は 5.6%となっている。

6 老後の収入源 ・最も頼りにするのは公的年金 老後の生計を支える手段として最も頼りにする(1番目に頼りにする)収入源は、「公的年金」が最も多く 59.5%、次いで「自分の就労による収入」が 16.7%となっている。年齢階級別にみると、65 歳以上では「公的年金」が8割弱を占めているが、若い世代では「自分の就労による収入」「貯蓄または退職金の取り崩し」「配偶者の就労による収入」など、「公的年金」以外の割合が多くなっている。これを世帯の生活意識の状況別にみると、ゆとりがあると感じている世帯層では、他の世帯層に比べ「貯蓄または退職金の取り崩し」「家賃や銀行の利子などの資産収入」の割合が多くなっている。また、老後の生計を支える手段について、1番目に頼りにするものと2番目に頼りにするものの組合せをみると、「公的年金」と「貯蓄または退職金の取り崩し」を選択した者の割合が25.3%と最も多くなっており、次に「公的年金」と「自分の就労による収入」を選択した者が9.5%となっている。

7 老後の生きがい ・老後の生きがいは教養・趣味を高めること 老後の生活の中で生きがいを感じることは、「教養・趣味を高めること」が最も多く 46.5%、次いで「子どもや孫の成長」が 43.0%、「家族との団らん」が 35.7%となっている。性別にみると、男性は「教養・趣味を高めること」が 46.1%で最も多く、女性は「子どもや孫の成長」が 46.9%、「教養・趣味を高めること」が 46.8%となっている。また、「働くこと」「スポーツをすること」の割合は男性の方が多く、「子どもや孫の成長」「友人や地域の人との交流」の割合は女性の方が多くなっている。

8 老後生活における子どもとの同・別居について ・子どもとの同居希望が減少傾向 現在、子どものいる者について、老後生活での子どもとの同居意識をみると、同居を希望する者は 27.1%となっており、過去の調査結果と比べると、減少傾向となっている。同居を希望する者の内訳をみると、条件なしで「同居したい」とする者が 15.7%、「元気なうちは別居し、病気になったら同居したい」が 6.7%、「配偶者がいなくなったら同居したい」が 4.7%となっている。一方、別居については、「子どもが近くにいれば別居でもよい」が 38.3%、条件なしで「別居したい」が 11.0%となっており、合わせて 49.3%を占める。

9 年をとって生活したいと思う場所 ・年をとって配偶者がいなくなり一人となった場合、在宅で生活したい者が約8割 年をとって「配偶者がいなくなり一人となった場合」にどのような場所で生活したいかについては、「住み続けた自宅(子どもの家への転居を含む)」(68.3%)などの在宅での生活を望む者が 80.9%となっている。年齢階級別にみても、すべての年齢階級で「住み続けた自宅(子どもの家への転居を含む)」が大きな割合を占めている。 ・介護を必要とする場合、在宅で生活したい者が約4割、施設が約3割 年をとって「介護を必要とする場合」にどのような場所で生活したいかについては、「住み続けた自宅(子どもの家への転居を含む)」(18.7%)などの在宅での生活を望む者が 43.1%、「特別養護老人ホームなどの施設」が 29.8%、「病院などの医療機関」が 9.2%となっている。年齢階級別にみると、すべての年齢階級で「特別養護老人ホームなどの施設」が多くなっている。 ・人生の最後をむかえるときは、在宅で生活したい者が約4割、医療機関が約3割 年をとって「人生の最後をむかえるとき」にどのような場所で生活したいかについては、「住み続けた自宅(子どもの家への転居を含む)(37.5%)などの在宅での生活を望む者が 41.3%、「病院などの医療機関」が 27.9%となっている。年齢階級別にみると、年齢階級が上がるにつれ、「住み続けた自宅(子どもの家への転居を含む)」の割合が少なくなり、代わりに、「病院などの医療機関」の割合が多くなっている。

10 自宅で介護される場合の状況 ・家族と外部の者(ホームヘルパーなど)の両方からの介護を受けたい者が約6割 年をとって介護が必要となり、自宅で介護を受ける場合については、「ホームヘルパーなど外部の者の介護を中心とし、あわせて家族による介護を受けたい」とする者が 34.2%、「家族の介護を中心とし、ホームヘルパーなど外部の者も利用したい」が 27.1%となっており、家族と外部の者(ホームヘルパーなど)の両方からの介護を受けたい者が約6割を占めている。

11 今後増えて欲しいと思う介護関係の事業所・施設 ・訪問介護・看護サービスを提供する事業所とする者が約5割 今後 10 年間で家の周りに今以上に増えて欲しいと思う介護関係の事業所・施設については、「訪問介護・看護サービスを提供する事業所」が最も多く 49.1%、次いで「通い、泊まり、訪問が一体的に提供される小規模多機能型居宅介護事業所」が 36.5%、「自宅から通って利用するデイサービスを提供する事業所」が 33.3%、「高齢者のためのサービス付きの住宅」が 30.9%となっている。

12 老後生活と社会保障(年金、医療、福祉など)の関係について ・足りない部分は社会保障でみてもらいたいが過半数 老後生活と社会保障の関係については、「老後の生活の準備はまず自分でするが、全部は出来ないので、足りない部分は社会保障でみてもらいたい」とする者が 52.8%と過半数を占めている。平成18年の調査と比較すると、「老後の生活の準備はまず自分でするが、全部は出来ないので、足りない部分は社会保障でみてもらいたい」とする者は 51.1%から 52.8%と若干増加しているのに対し、「将来のことは予測できない面があるので、自分で準備するといっても限界がある。社会保障のための負担が重くなってもよいから、老後の生活はなるべく社会保障でみてもらいたい」とする者が 23.9%から 21.5%と若干減少している。 年齢階級別にみると、全ての年齢階級で「老後の生活の準備はまず自分でするが、全部はできないので、足りない部分は社会保障でみてもらいたい」が最も多いが、若い世代では「老後の生活は自分が考えるべきで、若いときからその準備をする。社会保障にはあまり期待しない」の割合が多くなっているのに対し、高年齢層では「将来のことは予測できない面があるので、自分で準備するといっても限界がある。社会保障のための負担が重くなってもよいから、老後の生活はなるべく社会保障でみてもらいたい」の割合が多くなっている。

13 重要だと考える社会保障の分野について ・重要だと考える社会保障は、老後の所得保障(年金)とする者が約7割 重要だと考える社会保障の分野は、「老後の所得保障(年金)」が 71.1%、次いで「高齢者医療や介護」が 48.2%、「医療保険・医療供給体制」が 37.6%、「子ども・子育て支援」が 29.5%、「雇用の確保や失業対策」が 27.2%となっている。年齢階級別にみると、「子ども・子育て支援」「雇用の確保や失業対策」は若い世代で多くなっているのに対し、「老後の所得保障(年金)」「高齢者医療や介護」「健康の保持、増進」は高年齢層で多くなっている。 ・今後充実させていく必要がある社会保障は、老後の所得保障(年金)や雇用の確保・失業 対策などと考える者がいずれも4割程度 今後、更に充実させる必要があると考える社会保障の分野は、「老後の所得保障(年金)」が 41.0%、次いで「雇用の確保や失業対策」が 39.4%、「高齢者医療や介護」が 37.2%、「子ども・子育て支援」が 35.9%、「医療保険・医療供給体制」が 35.6%となっており、いずれも4割前後となっている。年齢階級別にみると、「老後の所得保障(年金)」「子ども・子育て支援」は若い世代で多くなっているのに対し、「健康の保持、増進」は高年齢層で多くなっている。

14 社会保障の給付と負担の関係について ・「社会保障の給付水準を維持し、少子高齢化による負担増はやむを得ない」と考える者が4分の1社会保障の給付と負担の関係については、「社会保障の給付水準を維持し、少子高齢化による負担増はやむを得ない」とする者が 25.9%、次いで「社会保障の給付水準をある程度引き下げつつ、ある程度の負担増もやむを得ない」が 18.3%となっている。年齢階級別にみると、高年齢層では「社会保障の給付水準を維持し、少子高齢化による負担増はやむを得ない」が3割と多くなっている。これを、世帯の家計支出額(月額)別にみると、全ての階級で「社会保障の給付水準を維持し、少子高齢化による負担増はやむを得ない」が最も多いが、家計支出額が多くなっていくにつれて「社会保障の給付水準を引き上げ、そのための負担増もやむを得ない」の割合が多くなっている。

15 少子高齢化が進行する状況における高齢者と現役世代の負担水準について ・今後見込まれる負担増については、「高齢者の負担増はやむを得ない」「現役世代が負担すべき」とする者がそれぞれ約3割 少子高齢化が進行する状況における高齢者と現役世代の負担水準の考え方については、「現役世代の負担の上昇を緩和するために、高齢者の負担が今より重くなることはやむを得ない」とする者が 30.4%、「高齢者の負担は現状程度で留めるべきであり、少子高齢化による負担増は、現役世代が負担するべきである」とする者が 27.0%となっている。年齢階級別にみると、「現役世代の負担の上昇を緩和するために、高齢者の負担が今より重くなることはやむを得ない」の割合は、50 歳代で最も多くなっている。また、「高齢者の負担は現状でも重いので負担を引き下げ、現役世代の負担を大幅に増やすべきである」の割合は、70 歳以上が最も多くなっている。これを世帯の所得階級別にみると、「現役世代の負担の上昇を緩和するために、高齢者の負担が今より重くなることはやむを得ない」の割合は、所得階級が上がるにつれて多くなっているのに対し、「高齢者の負担は現状でも重いので負担を引き下げ、現役世代の負担を大幅に増やすべきである」の割合は、所得階級が下がるにつれて多くなっている。

 社会保障の問題は、自分の事、自分の世代の事だけを考えるのではなく、自分の子供、孫あるいは自分の親あるいは祖父母を含めた社会全体を考えて行うべき事で、更に短期的な発想・対策では無く長期的な発想・対策が求められます。ここに、日本社会の事だけでは無くグローバルな世界の動き、為替、経済、環境問題、食糧問題まで含めた広い範囲を考えた対策が必要です。 非常に難しい問題で、簡単に答えは出ませんが、まず必要な事はこれらの事実を把握し、自分としては何が出来るかを考えることだと思います。毎朝のラジオ体操、毎日の規則正しい生活、暴飲暴食の無い有るべき食生活、これらは自分が努力すればできることでありこの辺の所から進めてゆきたいと思っております。 また、質問6.の老後の収入減の質問に対する意識として公的年金の割合が大きくなっています。私共 社会保険労務士事務所プラムアンドアップル海外年金を専門としておりますが、一般的に認識が低く、貰い忘れが多いとされております海外年金について、受給資格がある人への呼びかけと確実な受給獲得を目指して活動しており、その活動も一つの社会保障問題への活動ではないかと考えております。

月例経済報告(平成26年8月)の発表がありました。

 平成26年8月の月例経済報告が内閣府から発表されました。

 月例経済報告では、概況に加えて 1.消費・投資等の需要動向、2。企業活動と雇用情勢、3.物価と金融情勢 そして4.海外経済の項目に分けて報告されておりますが、このホームページでは概況と海外事業に関連する輸出入および4.海外経済について取り上げます。

 概況 -景気は、緩やかな回復基調が続いており、消費税率引上げに伴う駆け込み需要の反動も和らぎつつある。- 先行きについては、当面、消費税率引上げに伴う駆け込み需要の反動により一部に弱さが残るものの、次第にその影響が薄れ、各種政策の効果が発現するなかで、緩やかに回復していくことが期待される。ただし、駆け込み需要の反動の長期化や海外景気の下振れなど、我が国の景気を下押しするリスクに留意する必要がある。

1.消費・投資等の需要動向 輸出入について 輸出は、横ばいとなっている。輸入は、このところ弱含んでいる。貿易・サービス収支の赤字は、減少傾向にある。 輸出は、横ばいとなっている。地域別にみると、アジア、アメリカ及びその他地域向けの輸出は、横ばいとなっている。EU向けの輸出は、持ち直しの兆しがみられる。先行きについては、海外景気の底堅さ等を背景に、次第に持ち直しに向かうことが期待される。 ただし、海外景気の下振れリスクに留意する必要がある。 輸入は、このところ弱含んでいる。地域別にみると、アジアからの輸入は、横ばいとなっている。アメリカ及びEUからの輸入は、このところ弱含んでいる。先行きについては、次第に持ち直しに向かうことが期待される。 貿易・サービス収支の赤字は、減少傾向にある。 6月の貿易収支は、輸出金額は増加したものの、輸入金額が大幅に増加したため、赤字幅は拡大した。また、サービス収支の赤字幅は、拡大した。

4.海外経済 世界の景気は、一部に弱さがみられるものの、緩やかに回復している。 先行きについては、緩やかな回復が続くことが期待される。ただし、アメリカの金融緩和縮小による影響、中国やその他新興国経済の先行き、地政学的リスク等について留意する必要がある。   アメリカでは、景気は回復している。先行きについては、回復が続くと見込まれる。ただし、金融緩和の縮小による影響等に留意する必要がある。 2014年4-6月期のGDP成長率(第一次推計値)は、純輸出が減少したものの、個人消費が堅調に推移するとともに在庫が増加したことなどから、前期比年率4.0%増となった。 足下をみると、消費は増加している。設備投資は緩やかに増加している。住宅着工は持ち直しの動きがみられる。 生産は増加している。雇用面では、雇用者数は増加しており、失業率は低下している。物価面では、コア物価上昇率は緩やかに上昇している。貿易面では、財輸出は緩やかに増加している。 7月29日、30日に開催されたFOMCでは、中長期の米国債の購入ペースを毎月150億ドルに縮小し、住宅ローン担保証券(MBS)の購入ペースを毎月100億ドルに縮小することが決定された。さらに、政策金利を0%から0.25%の範囲で据え置くことが決定された。 また、資産購入プログラムが終了した後も、相当な期間、特にインフレ率がFOMCの長期目標である2%を下回り続けると予想され、長期的なインフレ期待が十分に抑制され続ける場合には、現在のフェデラル・ファンド・レートを維持することが妥当であるとされた。 アジア地域については、中国では、景気の拡大テンポは緩やかになっている。先行きについては、緩やかな拡大傾向が続くと期待される。ただし、不動産価格や金融市場の動向等によっては、景気が下振れするリスクがある。   韓国では、景気は内需を中心に持ち直しの動きが緩やかになっている。台湾では、景気は緩やかに回復している。2014年4-6月期のGDP成長率(前期比年率)は、それぞれ2.4%増、3.9%増となった。 ASEAN地域(インドネシア、タイ、マレーシア及びシンガポール)では、景気は総じて足踏み状態となっている。 インドでは、景気は底ばい状態となっている。2014年1-3月期のGDP成長率は、前年同期比4.6%増となった。 ヨーロッパ地域では、景気は、全体としては持ち直している。ドイツでは、緩やかに回復している。英国では、回復している。 先行きについては、持ち直し基調が確かなものとなることが期待される。 ただし、政府債務問題等への対応やその影響、失業率や物価の動向、地政学的リスクの影響に留意する必要がある。 ユーロ圏では、景気は持ち直しの動きが続いている。ドイツでは、緩やかに回復している。2014年4-6月期のユーロ圏のGDP成長率は、前期比年率0.2%増となった。生産、輸出は底堅い動きとなっている。 英国では、景気は回復している。2014年4-6月期のGDP成長率は、前期比年率3.4%増となった。 失業率は、ユーロ圏では高水準ながら緩やかに低下している。ドイツでは緩やかに低下している。英国では低下している。消費者物価上昇率は、ユーロ圏では低下している。英国ではこのところ横ばいとなっている。 欧州中央銀行は、8月7日の理事会で、政策金利を0.15%で据え置くことを決定した。イングランド銀行は、8月7日の金融政策委員会で、政策金利を0.5%で据え置くことを決定した。

 以上の報告を見ても、世界経済が伸び悩んでいることが認識できます。BRICKSやASEANでの経済の停滞が顕著で、アメリカの景気が多少回復しているために、安定しているとも言えますが、世界各国の少子高齢化傾向は確実に進んて行くわけで、経済の成長が実現出来ていない事から発生する弊害や地政学的リスク(紛争問題)やエボラ熱と言った全地球規模のリスクが少しづつ大きくなってきて居ることが懸念されます。

2014年8月29日 | カテゴリー : 海外事業 | 投稿者 : naruse163

公的年金の分かりやすい情報発信モデル事業検討会が開催されました。

 昨日、霞が関の厚生労働省内に置いて、「公的年金の分かりやすい情報発信モデル事業検討会」が開催され、傍聴してきました。

 この検討会の目的は「市町村における国民年金業務の適正かつ円滑な業務運営の推進および被保険者や受給者等の国民年金制度の理解促進を図るため、国民年金の手続きや保険料納付促進を図るための動画・リーフレット等の作成や市町村の国民年金担当事務職員向けの業務支援ツールの作成及び通信研修をモデル実施する事」となっております。

 首都圏等では、年金に関する相談業務を行っている年金事務所が設置されていますが、年金事務所は全国に312か所のみとなっており、近くに年金事務所が無い場合は、管轄の市町村でその対応をしております。国民年金に従事する市町村の職員は1万5千人ほどでその83%は他の職務との兼任職員であり、かつ全市町村の31%が事務経験年数3年以下の職員のみで業務を実施しているのが現状の様です。

 確かに市町村役場で取り扱う業務は山の様な種類の業務があり、国民年金専任者を置くことには課題があり、かつ非常に複雑で個人個人の事情により異なる対応となる年金について、市町村の職員が精通する様になることもかなり困難であることは想像できます。 このような状況の中で市町村での円滑な業務運営をはかり、国民に年金制度の理解促進を勧めようと具体的な取り組みが開始されるという訳です。

 大きく3つにモデル事業を分割し、コンペを経て選ばれた業者さんからのプレゼンテーションがありました。

 プレゼンテーションの中には若年層に対する教育も含まれており、まだまだ低い国民年金保険料の納付率を上げてゆくために、高校や大学で年金についての授業を設け年金がいかに大事であるか、社会保障制度とは何かを学んでもらう機会を設けることも重要との話も出ていました。

 昨日は第1回目の検討会で、来年の3月までに具体的な事業を勧めようと言うスケジュールも開示されました。 今回初めてこのような検討会に参加しましたが、年々複雑になってゆく年金(今回は国民年金のみについての討議ですが)を厚生労働省としてどのように国民に分かりやすく、かつ実業務を行っている市町村での課題を改善するために策を設けている事が理解でき、私どもの事務所のミッションでもある「定年後の安心の提供」「年金知識の普及」に努力してゆく事の意味を再認識する機会となりました。

2014年8月28日 | カテゴリー : 年金 | 投稿者 : naruse163

アセアン RCEP(東アジア包括的経済連携)の閣僚会議について

 1967年に東アジア諸国連合としてスタートしたASEANが、確実に世界の中でのポジションを獲得してきており、今後はその周辺国6か国(日中韓印豪NZ)との連携の形が出来るRCEPは非常に重要な経済連携だと注目しておりました。

 RCEPについては2011年にASEANが提唱し、2012年に首脳外交により正式に交渉が開始され、来年2015年からのスタートを目指しています。 RCEPが実現すれば、人口約34億人(世界の約半分)、GDP約20兆ドル(世界全体の約3割)、貿易総額10兆ドル(世界全体の約3割)を占める広域経済圏が出現します。日本全体とASEANの関係がますます強化され、交流も増えてゆくことになります。

 1980年代から1990年代にかけて、欧米への海外赴任者が増え、アメリカNJ/NY地区では日本人学校が次々と開校して行ったのと同じ様な海外赴任者の増加が今後ASEAN各国で見られることになるでしょう。もちろん、生活環境、教育環境、医療環境が国により異なりすべて一様にはなりませんが、中国は上海、北京等を筆頭に物価レベルが高くなりすぎ、人件費も高騰し、次の生産市場と消費市場を目指して多くの企業がASEANに出てゆくことになることは間違いありません。

 1980年代、1990年代は大企業が新規市場開拓の目的で欧米市場に進出してゆきましたが、今は街のパン屋さんと言った個人経営のお店、ラーメンのチェーン店、中小企業等を含めて全企業が海外進出を検討する時代になってきており、そこに働く社員の全てに海外勤務の可能性が出て来たと言える時代です。

 ただし、海外市場は甘くは無く、そこに新規市場が有ると思っても、実は多くの競合企業がすでに存在しており、現地の複雑でわかりにくい規制もあり、パートナーとの合資しか許されず、そのパートナーとの関係構築がうまく進まず結局断念し、大きな負担が発生する場合も少なくありません。その様な事が起こると資本の小さな企業にとっては、存続の危機でもあり得ます。 RCEPが日本の産業、日本人に与える影響について、複雑さを増す時代の変化点である事を考えさせられます。

2014年8月26日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : naruse163

国民生活に関する世論調査(平成26年6月調査分)が発表されました。

平成26年6月に実施した「国民生活に関する世論調査」が内閣府から本日(8月25日)発表されました。 調査の項目は以下の内容です。
  1. 現在の生活について
  2. 今後の生活について
  3. 生き方、考え方について
  4. 政府に対する要望
去年と比べたときの生活の向上感について、男性の20歳代から40歳代は「同じようなもの」と答えた一方で男性女性ともの60歳代、70歳代以上では「低下している」と答えています。 「満足している」または「まあ満足している」と答えた人を「満足」、「やや不満だ」または「不満だ」と答えた人を「不満」とすると 現在の生活の各面での満足度で「満足」と答えたのは
  • 所得・収入の面で 44.7%
  • 資産・貯蓄の面で 37.3%
  • 耐久消費財の面で 70.9%
  • 食生活の面で   86.4%
  • 住生活の面で   78.6%
に対して、「不満」とする者の割合は
  • 所得・収入の面で 54.1%
  • 資産・貯蓄の面で 60.2%
  • 耐久消費財の面で 27.4%
  • 食生活の面で   13.1%
  • 住生活の面で   20.9%
となっています。 特に資産・貯蓄の面で 37.3%の「満足」に対して60.2%の「不満」の答が多いのが印象的です。前回の調査結果との比較でも資産・貯蓄の面で「満足」が(42.7%→37.3%)と低下し、「不満」が(53.7%→60.2%)と大幅に増えているのも特徴的です。 日頃の生活の中で。『悩みや不安を感じている」と答えた者(4172人)に、悩みや不安を感じているのはどの様な事か聞いたところ、「老後の生活設計について」を挙げた者の割合が57.9%と最も高く、以下「自分の健康について」(49.7%)、「家族の健康について」(41.9%)、「今後の収入や資産の見通しについて」(41.0%)などの順になっています。前回の調査結果との比較では「老後の生活設計について」(55.3%→57.9%)を挙げた者の割合が上昇しています。 性別、年齢別で意見が異なり、一様では有りませんが、やはり将来に向けての不安が大きいのが影響しているのではと推測出来そうであり、社会保障問題が非常に重要な事が良く認識できます。海外年金を切り口として社会保障問題に取り組んでいる私たちとしても、このような世論の意識を強く認識する機会にしたいと考えます。  
2014年8月25日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : naruse163

国民年金保険料の納付率(平成26年6月末現在)

昨日8月22日に平成26年6月末現在の国民年金保険料の納付率についての発表が日本年金機構から有りました。
  • 平成24年度分(過年度2年目)の納付率は64.4%  (平成24年度末から5.4ポイントの伸び)
  • 平成25年度分(過年度1年目)の納付率は62.3% (平成25年度末から1.4ポイントの伸び)
  • 平成26年4から5月(現年度分)の納付率は55.1% (対前年同期比 1.7ポイントの伸び)
となっています。いずれも伸びがみられますが、強制徴収活動の増加の結果かもしれません。
  • 督促状 (平成26年4から5月) 6401件(前年同期比 227%)
  • 財産差押(平成26年4から5月) 3320年(前年同期比 177%)
公的年金が自分の将来の生活にとってどの様な意味が有るのか?」 等の公的年金についての正しい知識をできるだけ多くの人に持っていただき、一部の報道をそのまま鵜呑みにして誤解しない年金知識の普及が重要だと考えます。
2014年8月23日 | カテゴリー : 年金 | 投稿者 : naruse163

海外赴任者への支援代行サービスが増えています。

 本WEBのニュース欄に海外在留邦人調査統計 平成26年度発表が有ったと書きましたが、海外赴任者は確実に増加しています。

 この傾向を受けて、色々な会社が海外赴任者の支援代行事業を始めているとの報道が目立ちます。

 セキュリティサービス大手企業では、車の売却や留守宅管理事業を始め、さらに実家に住む親の健康状態を自宅訪問などで確認するサービスを行う事。

 介護大手では、訪問介護の資格を持つ社員が留守宅を掃除するサービスを開始、福利厚生代行大手では90か国の言語を電話通訳するサービスを開始、不動産大手では海外赴任者向けに現地の賃貸住宅サービスの地域を拡大、アラブ首長国連邦の首都ドバイやラオスでも開始の予定との報道です。

 大手企業の場合は、人事機能もあり海外赴任者への対応も一定以上の事が可能ですが、今は街のパン屋さんをはじめとして中小企業も海外赴任する時代になっています。また、最近の赴任国地域は1980年代、1990年代とは大きく異なり、アジア、中近東を含めて新興国への赴任が多くなっており、現地の生活環境、教育環境、医療環境も厳しい地域となっております。 上の様な代行サービス企業を使って、効率よく確実な赴任者および赴任者家族への支援をすることが必要な時代になってきていると言えます。

2014年8月22日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : naruse163

11月30日を「年金の日」に決定

「いいみらい」のゴロ合わせを含めて11月30日を「年金の日」にするとの発表がありました。

 『国民お一人お一人、「年金ネット」等を活用しながら、高齢期の生活設計に思いをめぐらしていただく日』 として「年金の日」とすることとしました。との発表でした。 「年金の日」に関する行事については、以下の内容が計画されています。

  • 民間との協働イベント
  • 大臣表彰式の開催
  • 日本年金機構による出張相談等
  • インターネット広告等
  • 地方自治体との協働イベント
  • 「年金の日」ページの開設

我々、社会保険労務士事務所プラムアンドアップルとしても11月30日に向けて、最新の情報提供に努めてまいります。

2014年8月19日 | カテゴリー : 年金 | 投稿者 : naruse163

行動経済学での三つのドアの答え

 昨日の三つのドアの問題で正解はCのドアに選択を変更する事と書きましたが、それは変数変換がポイントとなります。

 三つのドアを選択する前の豪華賞品が当たる確率は、どのドアも3分の1です。しかし、あなたがAのドアを選んだ後、司会者が残っている二つのドアの内のBのドアを開け、そのドアははずれだと示してしまいました、この結果、Cのドアが正解である確率は2分の1に上がったことになります。(その時点ではAかCのドアのどちらかに豪華賞品があるのですから)

 結果、最初に選んだAのドア(確率3分の1)とCのドア(確率2分の1)ではCのドアの確率が高い事になり、Cを選ぶことが正しい事になります。

 これが変数変換です。状況が変化する事により、確率が変化しているのです。 ただ、これは感覚的にはなかなか難しいかもしれません。だから多くの人がAを選んだままにしてしまうのでしょう。このような事を行動経済学は研究しており、これは消費者の購買心理、投資心理にも大きく影響してきています。 公的年金では不十分、では対策は? の答えとして、今の投資戦略を見直すことも必要かもしれません。ただしそれはリスクを理解した上で。

 もし、皆様の中で海外赴任を経験し、海外年金を未受給でしたら一度海外年金受給資格のご確認をお勧めします。プラムアンドアップルでは海外年金の情報を提供しています。

2014年8月18日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : naruse163

公的年金では不十分? では対策は?

「個人奥様投資家の勉強会が活発」との報道がありました。

 日本人の多くはリーマンショックで株価が大暴落した時の記憶が強く残っており、金融資産の半分以上を預貯金にし、安全では有るが全く投資効果のない資産形成になっています。でも一方では、自分の公的年金を計算し、これでは不十分と認識した奥様達が投資の勉強をしなければと動き出したようです。

 行動経済学のテキストにいつも乗って居る面白いテストが有ります。

 想像してください。あなたは豪華賞品が当たるクイズの回答者に選ばれステージの上にいます。司会者がクイズの方法を説明します。ステージの上には三つのドアA,B,Cがあり、その内一つのドアの後ろには豪華賞品があり、残りの二つははずれとなります。あなたは豪華賞品を手にすることが出来ますでしょうか?

 まず司会者があなたに聞きます。「お客様、どのドアを選びますか?時間は30秒です。考えてください。」あなたは30秒を目いっぱい使って考えた後「それではAをお願いします。」と答えます。すると司会者が「お客様が熟慮の後、Aのドアをお選びになりました。結構です。」と言った後、「さあ、それではここでお客様が選ばなかったBのドアとCのドアの内、Bのドアを開けてみましょう。」と言い「どうぞBのドアを開けてください。」と叫びます。

 長ーいドラムがなったのちBのドアがゆっくり開けられます。するとそこには「はずれ」の文字が有りました。 さあ、そこで司会者が再度あなたに聞きます。「お客様の選んだAのドアの後ろに豪華賞品があるのか?」「それともCのドアの後ろに豪華賞品があるのか?」「お客様にはもう一度チャンスが与えられます。 もう一度ドアを選びなおすことが出来ます。お客様。このままAのドアを選ばれますか?それともCのドアに変更されますか?」と。

 さあ、あなたならどうされますか?と言ったテストです。 このテストをすると多くの方が「そのままAのドアで結構です。」と答えます。 私は、このAを選んだ行動心理が一番最初に書きました、日本人の貯蓄率が高い事に関係しているのだと考えています。(私は心理学の専門家では有りません。念のため)「何か変化を起こすことによって失敗するかもしれないなら、現状のままにしておく方が良い。変えて変なことになったら周囲から何と言われるか?」と考えて。 行動経済学の話に戻すと、クイズの正解は「Cのドアに変更すること」となります。なぜか?それは明日のブログでご説明いたします。

 

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2014年8月17日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : naruse163